日々、空想日和ブログo
菫砂糖

 アメジストのしずく は
すみれの青 なんだ。と いいました。

はじける泡 にかき混せて

小さくて 高い音。 それから きき耳をたてました

彼女は やさしくしてくれるひと を さがしています

絶えず。 絶えず。

とても大きな猫を 肩に抱えて。

なるべく 膝を曲げないように
時には、踵をつけないであるいたりしました。

それから、肌いろの布 を 体に巻いて、
白っぽい腕だけの ちっぽけな胸 を していました。

ある日、カーテンの向こう側に
虹の紫 を つかまえて
急いで 正午の硝子の縁 へ、
檸檬の口 に 放り込むと

はずかしくなって すぐに かくれてしまいました

静かにじっと その時を待っていると、
しばらくして、魔法の音をたてて 雨が降りてきました。

机の下の猫 は ざらついた舌で 背を撫でて いました。

アメジストの粒 は、彼女の頬に線をひいて

それが垂れてしまう前に、 きて

カーテンの裏に みつけてから
ひっそりと 彼のその舌を 甘くさせる想像をしていました



ピアノの不協和音 は 4つの足音 を 鳴らしていました。

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 ながく、地に並んだ 影ほうし

水面下では、その根をひとつにして いました。

それは 密にではなく、
ほんの 何気ないもので

けして 混じりあうということでは ないのです。


透明な植物 の生命を
すり抜けるようにして、

木々のあいだに こもれびを反射し、
陽をとどめたら

こころの森は、水をたくさん含み
かなしみは いっぱいに 落ちました。


雲の 金色に輝きだした帯(リボン)は、
やがて 風を運び

ぽっかりと その 真皮を覗かせました。


木の葉達は ざわざわと

空へと 同じ思いを 還して

一葉 一葉。 眠りをはじめる のでした。

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はいいろ

 どこかで つばめが ないています

おやおや どうしてないているんだい?

おおつぶのあめが わたしのからだを うつのです
かぜがたましいをおいて この身をふきとばしてしまうのです

おやおや それはいけません。

あめは ながいあいだじゅう ずっとふりつづけます
ごうごうとそらが
きいたことのない うなりごえを あげます
ながくたらした やなぎのえだも
あちらへ ゆれて
こちらに ゆれて
おそろしい影絵 をつくるのです

それはいつまでたっても
ひたすら
夕 をむかえ 夜 になり 朝 をくりかえしました

そうして しらないあいだに
ただ ごろっと
ちりか いれもののように ころがっていったのです

わたしは じっとみつめて
なみだを ながしました
わたしは そっとみて
なみだをながしていました

けれど かすかにゆれたのは
やなぎのえだ ばかりでなく

それはもう
はいいろした 産毛のようだったのでした
watasi

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